経済学者を大臣にしても、その経済学者が不実か無能かであれば、国は滅ぶ。
これは経済学には誰がやっても同じ方向に経済が動いていくという再現性がないことにある。
科学分野の理論は再現性があればこそ確実に応用ができる。
連続的で流動的なアナログな現実世界をデジタルな言葉や数字で表すことは不可能である。
デジタルな言葉や数字、すなわち「情報」によって再構成される世界は「仮想世界」にすぎない。
情報とはアナログな生きた世界を抽象したものである。
情報によってそのもとになった現実の世界を操作できるはずはない。
操作ポイント(手段)の選び方でいろいろな主張があらわれる。
ある人は緊縮財政に固執し、ある人は緊縮財政はだめだという。
だからよこしまな経済学者を大臣にすると、国の経済よりも自分に都合のいい経済政策を推し進めて私腹を肥やすことにもなりかねない。
凡庸なトップは閣僚人事を政治力学で行うから、国を滅ぼす。