普通の神経をしていると耐えられないものがある。 いわゆる心理学では説明できない。個性の延長上にあり病気というわけではないから心身相関とも関係ない。
私は思春期の悩みが原点になり、高校・大学と進むにつれて心理学や心と体について興味を持ち、小学生から中学一年生まで熱中していたラジオ作りの趣味の記憶とが合流して、高校物理教師になりたいと思った。
しかし、それまで私が勉強してきた心理学というのは、個性の差はあっても基本的に人は皆同じ基盤を持っているということを前提にしていた気がする。
だれでも努力すれば色々なことがある程度のところまではできる、あるいは理解できるようになると思っていた。
だれでも話せばわかるものだという前提に立っていた。
しかし、経験則からして、噛み合わないものは噛み合わない。
なぜ、こんな当たり前のことが通じないのだろうかと思って議論してきた。お互いにそう思っているのです。
しかし越えられない壁があることをようやく知った。無理なこともあるとわかった。
でも、それはコミュニケーションにとって重大な障壁になるともわかった。
コミュニケーションができない、心が通じない、言葉が通じない、様々な障壁は訓練や教育でなんとかなるものではないと。
それをなんとかしようとすることに無理があって、人間関係にトラブルが起きる。教育でもそうだ。一斉教育は無理じゃないかと。
昔の日本のように多様な進路選択ができる複線型の教育制度にする必要がある。
この本はとてもわかりやすい。人間関係、コミュニケーション、人の個性などについて一層理解が深まるのではないかと思う。大切な問題です。