情けにもいろいろあって、深情けが誤解を生むこともある。
文化庁の説明は「情を人にかけておけば,巡り巡って自分によい報いが来るということ」とある。
意味はその通りだが、その表現には違和感がある。打算的な響きがある。
露骨ではない、もう少し深い意味を含んでいるのではないか。
自分のことしか念頭にない人は他の人の念頭にもない。
自分のことしか考えない人は人の気持がわからない。相手を思いやる心を持ち合わせない。
自分のためになることしかしない。自分のためにはならなくても相手を思いやって何かをすることがない。
人から言われたから、あるいは、見返りを期待して、あるいは、ほめられたくて、するのではなくて、相手の気持を思いやって、相手のために損得抜きで、心から何かをするのが「情け」ではないか。
巡り巡ってあたたかい人間関係、信頼で結ばれた人間関係が生まれる。